睡眠に困難を抱える発達障害の子どもの特徴・援助は?保育士が教える

保育学生
 

発達障害のある子って
睡眠に問題があるらしいけど
どういうこと?

ともだち
 

睡眠の問題には
どのように対応していけばいいの?



という方いませんか?


フリーランス保育士のりさです。ちなみに私は、ADHDです。


発達障害に少しでも興味がある方は、「発達障害がある子は、睡眠に困難を抱えることがある」と学んだ方も多いのではないでしょうか?


しかし、「具体的な特徴」や「援助・支援」については、詳しく書かれていません。


ということで、今回は、「発達障害の子どもと睡眠の関係」を紹介していきます。


◇記事の内容◇

・特徴

・援助方法

・発達障害と睡眠の関係

・保育士ができるサポート



睡眠に困難を抱える発達障害の子どもの特徴


発達障害の子どもの多くは、睡眠に問題を抱えていると言われています。


主な特徴を以下にまとめます。
全ての子どもに当てはまるわけではありません

・なかなか寝つけない

・途中で起きてしまう

・朝早く起きてしまう

・朝なかなか起きれない

・寝たくない



障害によって、子どもによって特徴は異なりますが、多くの発達障害の子どもが「睡眠」に困難を抱えながら生活しています。


また、障害によっても特徴が異なります。

・ADHD(多動・衝動型):途中で起きてしまう

・ADHD(不注意型):睡眠の質が低い



自閉症スペクトラムは、「睡眠と起きている時のリズムが不規則になりやすい」特徴があり、知的障害の症状が重いほど、レム睡眠(浅い睡眠)の割合が減少する、と研究でわかっています。

発達障害について知りたい方はこちらから



睡眠に困難を抱える発達障害の子どもの割合


睡眠に困難を抱える発達障害に子どもの割合を以下にまとめます。

・自閉症スペクトラム:53~78%

・ADHD:25~50%

引用:発達障害を有する子ども・若者の睡眠困難に関する研究動向 : 海外動向を中心に



数字に差があるのは、それぞれの研究によって差があるためです。


割合に差はありますが、多くの子どもが「睡眠」の困難を感じていることがわかります。


10人に1人が「自閉症スペクトラム」、10人に1人が「ADHD」と言われているので、30人クラスの中に、睡眠の困難を感じている発達障害の子どもは、少なくとも数人いることになります。


寝ない子はみんな発達障害?

保育学生
 

うちの子、なかなか寝ないんだけど、
もしかして「発達障害?」


寝ないからと言って、発達障害と決めつけるのは、NGです。


世の中は、1日24時間で回っていますが、実は体内時計は25時間なんです。

・1日:24時間

・子ども:25時間のリズム

・大人:24時間のリズム(に慣れている)



大人は、24時間のリズムになるように、調整しながら生活できますが、子どもが、体内時計を調整しながら生活するのは、まだ難しいです。


つまり、体内時計のまま生きている子どもは、どうしても睡眠と覚醒のリズムが整いにくいことを知っておくといいですよ。


睡眠に困難を抱える発達障害の子どもへの援助


睡眠に困難を抱える発達障害の子どもを援助する方法をいくつか紹介します。

・朝太陽光を浴びる

・寝る前のルーティンを作る

・無視する



今回は、今日からできる方法に絞って紹介していきます。

朝太陽光を浴びる


朝に太陽光を浴びることは、全ての子ども・大人の睡眠リズムを整えることに効果的です。


先ほども紹介したように、人間の体内時計は、25時間です。


意識しないと子どもの睡眠リズムは、どんどんズレていきます。

太陽光を浴びると体内時計が整う



朝起きたら、カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。


子どもも大人も体内時計が整い、夜寝やすくなります。


逆に、夕方以降に強い光を浴びると、覚醒してしまい、なかなか寝られなくなってしまうので、注意してください。


寝る前のルーティンを作る


寝る前のルーティンを作ることも効果的です。

お子さんの寝る前の流れは、毎日同じですか?



毎日同じ生活の流れで、睡眠まで過ごせることは、子どもにとって安心に繋がります。


特に、自閉症スペクトラムの子どもは、ルーティンを好む傾向があるので、毎日同じ流れにするだけで、寝られるようになる子もいるかもしれません。

りさ
りさ

担任していたクラスに
保育士が布団をかけたら
「寝る」というルーティンが
できている子がいました。



ルーティンを作ることは、発達障害に限らず、どの子どもの睡眠でも効果的なので、困っている、困っていないに関わらず、同じ流れにしてあげるといいですよ。


無視する


「無視をする」という方法もあります。


海外ではよく取り入れられている方法で、日本でも「ネントレ」という名前で、広まっています。


簡単にやり方を説明します。

・子どもを布団に寝かせる
   ↓
・保護者は部屋から出る
   ↓
・夜泣きしても保護者は寝室に戻らない



「川の字」で寝る文化がある日本では、あまり浸透していないやり方ですが、発達障害の子の睡眠問題に効果的だと言われています。


ただし、寝ている子どもをほっておくことは、保護者にとって精神的負担が大きいです。


「無視」の方法を取り入れる時は、保護者が無理をしないようにしてくださいね。


薬を服用する方法もある


発達障害の子どもの睡眠問題を解決する方法には、薬を服用する方法もあります。


以下の薬を使うことが多いようです。

・ベンゾジアゼピン

・メラトニン



薬を服用する場合は、医師の診断が必要になるので、簡単にできませんが、本当に困っているお子さんは、病院に相談してみてもいいかもしれません。


発達障害の特徴が子どもの睡眠を困難にする


発達障害の子どもは、睡眠に困難を抱えやすいことを紹介してきました。


脳の神経伝達物質の影響もありますが、発達障害の特性が原因で睡眠に問題が出ている場合もあります。


「発達障害は、睡眠に問題がある」とだけ頭に入れておくのではなく、目の前のお子さんの様子をしっかり見ていくことが大切です。


発達障害の子はストレスを感じやすい


発達障害の子は、その特性から保育園・学校生活でストレスを抱えやすいです。

・相手の気持ちを理解するのが苦手

・先生の話を聞くのが苦手

・衝動的にお友だちを叩いてしまう

・できないことを大人に責められる

・お友だちとのコミュニケーションが苦手



上記以外の場面でも、たくさんのストレスや緊張、不安を感じながら生活してます。


ストレスが困難をさらに引き起こす


発達障害の子どもにかかる大きなストレスが、睡眠に大きな影響を与えます。


睡眠不足の状態だと余計に、発達障害の特徴が強く出てしまい、コミュニケーション等の問題が出やすくなってしまいます。

・睡眠に困難(発達障害による)
  ↓
・人間関係の問題
  ↓
・睡眠の問題がさらに悪化



大人も嫌なことがあった日は、なかなか寝られないように、子どももストレスを抱えた状態では、寝られなかったり、寝てもすぐ起きたりしてしまいます。


発達障害のある子どもと関わる大人は、発達障害の特徴だけでなく、子どものメンタルにも目を向けて、関わっていきたいですね。


発達障害の子どもの睡眠問題は家族にも影響


発達障害の子どもの睡眠問題は、実は家族にも影響します。


「発達障害のある子どもに見られる睡眠の問題」によると、子どもの睡眠問題は、保護者にも大きな影響があることがわかります。(以下参照)

・慢性疲労:30%

・家族内の不和:37%

・深刻な虐待:8%

・離婚の原因:2%

引用「発達障害のある子どもに見られる睡眠の問題」



発達障害の子どもの多くが、睡眠に何かしらの問題や困難を抱えているので、発達障害の子どもを育てる家庭では、通常より家族間の問題が増える可能性があります。


発達障害の子どもの睡眠を保育園でサポートできるか


「発達障害の子どもと睡眠」について、紹介してきましたが、「保育士」という立場で、子どもをどのようにサポートできるか考えていきましょう。

保護者との協力


保護者との連携なくして、子どもの睡眠の援助は難しいです。


多くの発達障害の子どもが、「睡眠」で悩んでいます。


子どもが睡眠で悩んでいるということは、保護者も間違いなく悩んでいるはずです。

・夜なかなか寝なくて…

・夜中に目が覚めてしまうんです

・布団に入るのを嫌がって



など保護者の悩みを受け止めながら、保護者にとって負担がない形で、少しでも子どもが寝やすい環境・援助方法を提案できるといいですよね。(援助方法について、この記事をスクロールして読んで!)


午睡時の援助


発達障害の子どもの午睡の援助で悩む保育士さん多いのではないでしょうか?

りさ
りさ

私自身もめちゃくちゃ悩みました…。



発達障害の子どもへの援助は、結局「子どもに合わせて」ですが、何個かヒントとなる援助を紹介したいと思います。


・周りが気になるADHDの子
→(原因)お友だちの動き・音が気になって寝られない
→(対策)しきりなどを使いながら気になる刺激を減らしてあげる

・なかなか寝られない自閉症スペクトラムの子
→(原因)寝る前でのルーティンが毎日微妙に違う
→(対策)統一したルーティンを作り、できるだけ同じ保育士が関わる



上記では、「しきり」を提案しましたが、「しきり」すら気になってしまう場合があります。


ADHDにとっては、目に見えるもの、耳に入る音全てが刺激になってしまい、気になって寝られなくなってしまいます。

保育園でやっていいとは思いませんが、ADHDの子にとっては、布団を頭からかぶるか、うつ伏せになることが、一番刺激を減らせて寝やすい気がします。(ADHDの私はそうやって寝てます)



援助は、子どもによって違いますが、共通しているのは、「怒っても寝ない」ということです。


子どもは、「寝る時間」だとわかっています。だけど、寝られないんです。


「寝たいけど、寝られない」その気持ちをわかってあげることが、保育士にとって最も大切かもしれません。


発達障害の子どもの睡眠問題は簡単には解決しない


ここまで、「発達障害の子どもの睡眠」について紹介してきました。


発達障害の子どもの睡眠問題の一部をまとめると、こんな感じです。

・なかなか寝つけない

・途中で起きてしまう

・朝早く起きてしまう

・朝なかなか起きれない

・寝たくない



発達障害の子どもは、睡眠に困難を抱えるだけでなく、睡眠不足が原因で日中の行動に問題が起きたり、日中のストレスでさらに寝られなくなったりします。


子どもに関わる大人は、発達障害の子どもが抱えている困難を理解した上で、関わっていくことが大切です。


参考論文


今回参考にした論文は、こちらです。

発達障害のある子どもに見られる睡眠の問題

発達障害児の睡眠問題 と行動特性



さらに発達障害について学びたい方


もっと発達障害について、学びたいあなたには、この本がおすすめです。



気になる方は、読んでみてくださいね。


間違いなく、勉強になるはずです。

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