発達障害の子の就学は小学校だけじゃない.教育や教員などの特徴解説

年長の○○君そろそろ
小学校に就学だけど
少し不安だな

小学校以外の就学先って
特別支援学校しかないの?



という保育士さんいませんか?


フリーランス保育士のりさです。


大学では、特別支援教育を学び、特別支援学校と小学校で実習をしました。


大学の友だちの多くは、特別支援学校で教員をしているので、学校の話を聞くことも多いです。


発達障害をはじめ、障害のあるお子さんの就学先って、保育士目線からすると、よくわからないのではないでしょうか?


今回は、「発達障害の子の就学の選択肢」について紹介していきます。

文部科学省の情報や実際に教員として働いている人の話を元に解説していきますが、地域や自治体によって差があることを前提に読んでみてください。



発達障害の子の就学先は小学校だけじゃない


1クラスに複数名いると言われている発達障害の子ですが、就学先はかなり悩むと思います。


保護者から「どうしたらいいのでしょうか?」と、相談されたことがある保育士さんも、多いのではないでしょうか?


相談されても、どんな就学の選択肢があるのか、それぞれどんな特徴があるのか知らなければ、保護者の相談に回答はできませんよね。

でも、保育士の先輩に聞いても
詳しく知っている人いないし…



そうなんです。


私も働き始めて気がついたんですが、「特別支援教育」のことを詳しく知っている保育士さんって、意外と少ない。

りさ
りさ

だから、この記事を書こうと
思って今頑張ってます!



小学校以外にも就学の選択肢はある


発達障害をはじめ、障害のあるお子さんの就学の選択肢は、意外と多いです。

・小学校(通常級)

・通常級に在籍しながら通級

・特別支援学級

・特別支援学校



主に4つの選択肢があります。


就学先を選ぶのは結構大変


発達障害の子の就学先を選ぶのは、結構大変です。

あの子は知的な遅れは目立たないけど
対人関係が気になるから通級がいいのかな?



こんな風に安易に決められないのが、今の日本の教育制度です。


それぞれの特徴と現状を知った上で、考えていくことが求められます。

りさ
りさ

それぞれの特徴について
ここから解説していきます!



発達障害の子の就学「小学校」


小学校は、あなたのイメージ通りの雰囲気です。

・子ども約30人:教員1名

・授業はある程度一斉に進む

・身の回りのことは自分でやらなければいけない



上記のような特徴がありますよね。


保育園と小学校は違う


保育園生活で、周りとだいたい同じように生活できたからといって、小学校の通常級でも問題なく生活できるかといったら、違います。


保育園は複数担任のクラスが多く、フォローしてくれる先生がいました。


しかし、小学校は、30人の子どもを1人の先生が見なければいけないので、個別のフォローは難しいかもしれません。


小学校の先生の特徴


小学校の先生の中には、「発達障害」に関する知識があまりない先生も残念ながらいます。


発達障害に対する知識がないと、どういう状況が起こるかというと、

・準備に時間がかかる
 →ぼーっとしているのが悪い

・話を理解して動けない
 →話を聞いていないのが悪い



なんて、間違った認識で子どもを見てしまう可能性があります。

りさ
りさ

こんな先生ダメでしょ!と思うかもしれませんが
現状、こういう先生は少なからずいます…



発達障害のことを理解してくれる先生だったら、準備に時間がかかるのは手先の不器用さが原因だ、などしっかり原因と対策を考えてくれるかもしれませんが、30人を1人でみなければいけない現状、難しい部分も多いかもしれません。


小学校の先生の中には…


これは、大きな声では言えませんが…、小学校の通常級の先生の中には、「障害のある子は苦手」という先生もいます。

りさ
りさ

実際に先生として働いている方から
聞いた話なので実話です。



子どもは好きだけど、話を聞けなかったり、人との距離感がわからなかったりする障害の子は、好きになれない…なんて悲しい考え方を持っている先生もいるのが現実です。


もちろん、全ての先生がそういう考えを持っているわけではなく、ごく一部の先生だけですが、そういう先生が今、担任している子どもたちの先生になる可能性だってあるってことなんです。


学習指導要領に沿った授業を受けられる


少しネガティブな話ばかりしたので、小学校の通常級のメリットも紹介します。


通常級は、小学校の学習指導要領に基づいた授業が、展開されます。


勉強が好きな子にとっては、通常級での授業は、「楽しい」と思うかもしれません。


発達障害のの子の就学「通級」


小学校の通常級に在籍しながら、個々の苦手な部分だけ個別に学べる場が「通級」です。

ほとんどの活動や学習は通常級で行います。



通級は、小学校の中で、「週に1~8コマ」の授業が行われます。


13人の子どもに対して、1人の教員を設置することが基準になっているので、通常級よりも丁寧な指導を受けられます。


通級の対象は?


通級の対象となっている障害を以下にまとめます。

・言語障害

・自閉症

・情緒障害

・弱視

・難聴

・学習障害

・ADHD

・肢体不自由

・病弱及び身体虚弱



通級は全ての学校に開設されていない


自閉症やADHDも含まれているじゃん!と思いましたよね。


しかし、残念ながら、発達障害児向けに通級を行っているところは、まだまだ多くありません。


東京都内のある区の通級について調べたところ、以下の通級しか開設されていませんでした。

・難聴:2校

・言語障害:3校

・弱視:1校



通級ができる学校が少ない問題を解決するために、「特別支援教室」といって、主に発達障害児向けの学習形態を開設している学校もあります。


今回調べた東京都の区の特別支援教室では、主に「コミュニケーション」に目的を置いていました。


しかし、発達障害が通常級で感じる困難は、コミュニケーションだけではありません。

・学習障害(読み、書き、計算等の苦手)

・板書が苦手が学習についていけない



これら学習の問題には、対応できないのが現状かもしれません。


発達障害の子の就学「特別支援学級」


特別支援学級は、小学校の中にあります。


あなたの通っていた小学校にも、特別支援学級があったかもしれません。


「子ども8人が1学級」という基準があり、通常級よりもかなり丁寧な学びができます。


特別支援学級の特徴を簡単に以下にまとめます。

・小学校の学習指導要領に基づく指導が行われる
   +
・特別支援学校の学習指導要領に基づく指導計画の編成も可能



基本は、通常級で使用される学習指導要領に基づく指導が行われることになっていますが、子どもの発達や姿に合わせて、特別支援学校の学習指導要領に基づく編成も可能になっています。

りさ
りさ

かなりの確率で
特別支援学校の指導要領に
基づく教育が行われています。



学習指導要領の違い


小学校と特別支援学校の学習指導要領の違いって、結構複雑なのですが、できるだけ簡単に説明します。

☆教科の指導が学年ではなく「段階」



小学校の学習指導要領は、指導内容が学年によって分かれていますが、特別支援学校の学習指導要領は、学年ではなく、それぞれの発達の「段階」に分かれています。

りさ
りさ

つまり、個々の理解度、進捗度に合わせて
学習を進められる

☆自立活動がある



障害による、生活や学習の困難を改善、克服するための活動があります。


コミュニケーションや生活習慣の自立なども含まれます。


通常級と特別支援学級の違い


通常級と特別支援学級の大きな違いは、「個別の計画」の有無です


通常級では、指導計画は「クラス単位」で作成されます。


しかし、特別支援学級に在籍している子どもたちは、それぞれに合う「個別の計画」が立てられ、それに基づいて指導が行われます。


特別支援学級の対象は?


特別支援学級は、「障害ごと」に学級を編成されることになっています。

・知的障害 ・肢体不自由

・言語障害 ・病弱及び身体虚弱

・弱視   ・自閉症

・難聴   ・情緒障害



上記は、現在文部科学省が指定している対象障害です。。


見ていただければわかるように、「自閉症」はありますが、ADHDや学習障害はないことがわかります。


しかし、ADHDのお子さんや学習障害のお子さんも特別支援学級に通っているのが、現状です。


全ての学校にあるわけではない


先ほど、特別支援学級の対象の障害を紹介しましたが、全ての学級が全ての小学校にあるわけではありません。


東京都内のとある区の特別支援学級は以下のとおりです。

・知的:18校

・知的、弱視:1校

・知的、言語:2校



小学校によっては、特別支援学級自体がない学校もありますし、学校によっては行きたい学級がない場合もあります。


発達障害の子はどの学級に行くの?


現在、自閉症は特別支援学級の対象になっていますが、「自閉症」の特別支援学級がある学校は、ほとんどないと思われます。


多くの発達障害の子どもは、「知的障害」の特別支援学級に在籍しています。


特別支援学級の先生の特徴


特別支援学級の先生の多くは、「小学校の教員免許」しか持っていない場合が多いです。


後程、紹介する「特別支援学校」の先生は、「特別支援教育」の教員免許を持っている人が多いですが、特別支援学級の先生は、そうではないんです。

年度末に突然「来年は特別支援学級の担任ね!」なんて言われていることも多い…



特別支援学級には、以下のような先生がいるのも事実のようです。。。

・障害の知識がない

・個々に合わせた計画の立て方がわからない

・自立活動のやり方がわからない



これは、先生が悪いのではなく、特別支援教育を学んでいない人が特別支援学級の担任になってしまう、日本の教育のシステムに問題があります。

りさ
りさ

先生たちは勉強しながら
一生懸命指導してくれています



しかし、根本的な知識や技術がないので、教育のクオリティが下がってしまうのも現実です。

りさ
りさ

特別支援学級は、先生による
当たり外れが大きいと
教員の友だちから聞きました



特別支援学級のいいところ


じゃあ、特別支援学校のほうがいいのかな?



というと、そうでもありません。


特別支援学級は、小学校の中にあるので、通常級との交流を持ちやすいというメリットがあります。


たとえば、入学した時は、特別支援学級に在籍していたけど、体育や音楽、算数の授業なら通常級で授業が受けられそうとなった時、すぐに対応ができます。


あくまでも「個々の発達」に合わせてですが、特別支援学級はこのような対応もできます。

りさ
りさ

中には、通常級よりも学習の進度が速い(特定の教科)
なんて子も特別支援学級にはいるようです。



発達障害の子の就学「特別支援学校」


特別支援学校に入学する発達障害の子もいます。


特別支援学校の特徴を以下のまとめます。

・1学級:6人

・各教科+自立活動

・通学はスクールバスを使うこともある

・小学校~高校まで同じ建物なことが多い



特別支援学校によっては、「小学校だけ」の学校も多いですが、多くの特別支援学校は小学部~高等部まで同じ建物(敷地)内なことが多いです。


特別支援学校の種類


特別支援学校の種類は、以下の通りです。

・視覚障害

・聴覚障害

・知的障害

・肢体不自由

・病弱及び身体虚弱



発達障害の子の多くは、知的障害の特別支援学校に入学することが多いです。


教育の特色


障害特別支援学校(知的)では、通常級にはない指導形態がとられることが多いです。

・生活単元学習

・遊びの指導



生活単元学習は、「領域・教科を合わせた指導」の代表的な指導形態です。

生活単元学習?
領域・教科を合わせた指導?



通常級では、1時間目は国語、2時間目は算数、と時間によって学ぶ教科が決まっていますが、生活単元学習では、1つの授業時間の中で複数の教科を扱えます。

りさ
りさ

国語の要素もあるし、算数の要素、
図工や音楽の要素もある!
みたいな授業方法です。



この形態は、特別支援学級でも行われることが多いですが、知的障害特別支援学校では、かなり多くの授業時間を「生活単元学習」当てている学校が多いです。


特別支援学校(知的)の特徴


私は、大学生の時に「障害特別支援学校(知的)」に実習に行っています。


その時の経験も踏まえて、特徴を以下にまとめます。

・子ども2~3人:教員1人が多い(低学年の場合)

・1クラス約6人(教員2~3人)

・基本的に複数担任

・特別支援教育の免許を持っている先生が多い

・体育科出身の先生が意外と多い

・男の先生が意外と多い



特別支援学校は、基本的に複数担任です。


田舎の小さな特別支援学校では、2学年まとめて同じクラス(お部屋)の中で過ごし、複数の先生が関わっています。


また、子どもと教員の人数の割合を見てもらえるとわかりますが、かなり手厚い支援ができる体制になっています。


特別支援学校では教科の授業はしないの?


知的特別支援学校では、教科の授業はあります。


しかし、教科の授業の割合は、都道府県や学校によってかなり差があります。


現在、特別支援学校の教育方針は、大きく分けて以下の2つに分かれています。

・教科派

・生活単元学習派



教科派の都道府県や学校に入学すれば、教科の授業時間は長くなり、生活単元学習や自立活動の時間は短くなります。

りさ
りさ

どっちがいいのか…
教員同士でも意見が分かれるようです…



特別支援学級と学校どっちがいいの?


特別支援学級と特別支援学校どちらがいいのか、選ぶ基準は、「子どもの発達」です。


子どもの発達に合っていることが最も大切です。


ただ、教員の友人から聞いたところ、特別支援学級は、「身辺自立」を基準にしていることもあるようです。

・着替え

・食事

・排泄



特別支援学級は、子どもに対する教員の人数も特別支援学校に比べて少ないので、身辺自立を基準にしているのかもしれません。


子どもに合う就学先を選択できるように


ここまで、発達障害の子どもの就学先について紹介してきました。

・小学校

・通級

・特別支援学級

・特別支援学校



保育士のみなさんは、複数の選択肢があること、それぞれの特徴を知っておくことで、間違いなく役に立つはずです。


就学先を決めるのは、保護者ですが、保育士がしっかりとした知識があれば、保護者の悩みや相談にも対応できるかもしれません。


地域差が大きい


特別支援教育に関する事情は、地域差が大きいことも知っておいてください。


都心部と地方の小学校・特別支援学級・特別支援学校では、状況がかなり変わってきます。


地域の「就学相談」の担当者の方とも相談しながら、保護者との連携を進めていきたいところです。


保育士は知らないことが多い


今回の記事にまとめた内容ですが、保育士の多くは知らなかったのではないでしょうか?

りさ
りさ

私も教員の友人から聞かなければ
わからないことが多かったです。



この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。


▼発達障害についてもっと学びたい方



保育園生活の中でも援助の参考になります。


また、以下は、就学前の援助の参考になるはずです。



持っていて、損はないので気になる方は読んでみてくださいね!


▼発達障害に関する記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました