愛着障害と発達障害の深い関係。似てるようで似てない違いを解説

保育学生
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愛着障害の子どもは、発達障害と似た特徴を見せるって聞いたけどどういうこと?。

ママ
 

愛着障害の子と発達障害の子の似てるところと、違うとこって何?



という方いませんか?


元保育士のRisaです。


保育士をしていた時、「この子は愛着障害なか?」という子に何人も出会ってきました。


今回は、「愛着障害と発達障害の関係」について紹介していきます。


この記事は、下記の2冊を参考にしながら書いています。



保育士の目線で紹介していくので、子どもと関わるお仕事をしている方は、必見です。

▼愛着障害について、あまり知らない方は下記を先にチェックがおすすめ



愛着障害と発達障害の深い関係


愛着障害と発達障害は、切り離すことができません。


愛着障害抱えている子が多い被虐待児の8割が、ADHDか自閉症スペクトラム障害の特徴を示すと言われています。


ただし、発達障害の特徴を示す子たちが、もともと発達障害なのか、愛着障害によって発達障害の特徴を示しているのかに関しては、はっきりしません。

保育園にいる発達障害かな?と思う子が、愛着障害ということは十分あり得ます。



愛着障害と発達障害の似ているところ


愛着障害と発達障害は似た特徴がありますが、下記のような点で似ていると言われています。

・多動   ・片づけできない

・危険行動 ・靴や靴下を脱いでしまう

・かんしゃく・姿勢が崩れやすい

・パニック ・人の目を見ない

・自傷行為 ・食の問題(食べられない)

・こだわり ・集中力の低さ 

・不注意  ・新しいことが苦手

・攻撃的  ・接触を嫌がる



上記以外にも、愛着障害の子が発達障害と同じような行動や特性を持っていることもあります。


多動や片づけができない、集中力が低いなどは、ADHDの特徴に似ていますし、靴や靴下を脱いでしまう、かんしゃく、こだわりなどは、自閉症スペクトラム障害に類似した特徴です。


このように、愛着障害の子は発達障害と似た特徴を示す子が多いので、その子をしっかり見ていないと発達障害と勘違いしてしまうことがあります。


愛着障害と発達障害の違い


愛着障害と発達障害の子どもは、とても似た行動をすることが多いですが、似ているようでその行動の背景は、全く違うことがほとんどです。


愛着障害と発達障害の最も大きな違いは、「感情」が関係しているかどうかです。

・愛着障害:感情が大きく関係している

・発達障害:感情の影響は少ない



上記を意識すると、違いを理解しやすくなります。



今回は、下記の特徴について、愛着障害と発達障害の違いを紹介していきます。

・多動

・靴や靴下を脱ぐ

・姿勢が崩れやすい

・片づけ

・人の目を見ない

・接触が苦手



「感情」に注目しながら、違いを見ていきましょう。


多動


多動は、ADHDの子どもに多く見られますが、自閉症スペクトラム障害の子にも時々見られますよね。


愛着障害とADHD、自閉症スペクトラム障害の違いを下記にまとます。

・愛着障害:気持ちの状態によって多動になる

・ADHD:基本的にいつでも多動
    眠くなると多動がひどくなりやすい

・ASD:居場所がないとふらふらしてしまう
    予定変更などでパニックを起こして多動

※ASDとは、自閉症スペクトラム障害のことです。



上記のような違いがあります。


愛着障害の子は、月曜日の朝や毎日午前中に多動になる子が多いと言われています。


休みの日や夜の生活の中(家庭)で、ネガティブな感情を溜めこんでしまった結果、感情のコントロールができずに多動になるんです。


また、週末や午後になると多動になる愛着障害の子もいます。


このような子は、休みの日や夜の生活の中で、親(養育者)から受け取った愛情が少ないと、エネルギー切れになってしまい、多動になります。

保育園でも月曜日は落ち着かない子、週末になると落ちつかない子っていますよね。



必ずしも愛着障害とは限りませんが、子どもの心の中では変化が起こっているのかもしれないと思ってみていくことが必要かもしれません。


靴や靴下を脱ぐ


愛着障害の子の中には、外で靴を脱いだり、室内で靴下を脱いだりする子がいますが、同様な特徴が、自閉症スペクトラム障害の子どもにも見られます。

・愛着障害:接触を求めて脱ぐ

・ASD:感覚が敏感。
    靴や靴下との接触が苦手



上記のような違いがあります。


愛着障害の子は、肌との接触面積を多くして、安心するために脱いでいることが多いです。


この違いは比較的わかりやすく、子どもの様子を見れば、感覚を求めているのか、感覚が苦手なのかわかるはずです。


姿勢が崩れやすい


愛着障害の子、発達障害の子ともに姿勢の保持が苦手であるという特徴があります。

・愛着障害:感情が不安定なため動いてしまう

・発達障害:感覚が鈍感(敏感)で姿勢の保持が難しい
      協調運動が苦手



上記のような特徴があります。


愛着障害の子は、安全や安心を求めて動いたり、モノを触ったりすることによって、姿勢が崩れやすくなってしまいます。


片づけ


ADHDの特徴に片づけが苦手という特徴がありますが、愛着障害の子も同じように片づけが苦手です。

・愛着障害:なぜ片付けるのかわからない
      片付けるとどんな気持ちになるかわからない
      片付けたいという気持ちが育ってない

・ADHD:片付ける場所を作ることが苦手
     順番に片付けることが苦手



上記の違いがあります。


ADHDの子どもには、片付ける場所を視覚的に支援したり、やる順番を提示してあげると、比較的片付けることができますが、愛着障害の子は、そのような支援をしても片付けることが難しいことが多いです。


人の目を見ない


自閉症スペクトラム障害の子どもは、人と目が合いにくいという特徴がありますが、愛着障害の子も似た特徴を示します。

・愛着障害:人へ興味を持つことに恐怖心を抱えている

・ASD:人への興味が薄い



上記のように、人の目を見ないという違いですが、意味合いは全く違ってきます。


特に、生まれてすぐからひどい虐待をされてきた子は、人へ無関心という特徴があり、無関心であることによって、自分を守っています。

関係ない話ですが、子どもが叱られている時に大人の目を見ることができないのは、自分を守るためだったりするんです。



接触が苦手


自閉症スペクトラム障害の子に見られる接触(スキンシップ)が苦手というのも、似ています。

・愛着障害:接触が怖い。不安。

・ASD:感覚が過敏。
    接触は不快な感覚



上記のように違いがあります。


どちらも接触すると、ネガティブな反応を見せるかもしれませんが、意味合いは全く違ってくるんです。


愛着障害の子の中には、逆に接触を好む子もいます。


こういう子は、誰にでもべたべたくっついていることが多いです。


愛着障害と発達障害の鑑別の仕方


ここまで読んで、

保育学生
 

愛着障害の子と発達障害の子ってどうやって見分ければいいの?



という方もいますよね?


愛着障害の子と発達障害の子の違いを見分けるためには、まずはその子をじっくりと見ていくことが大切です。


どんな時に気になる行動が見られるかを見てくと、違いに気づくことができます。


また、愛着障害は、治療と適切なフォローで比較的早く、気になる行動が改善するという違いもあります。


保育士ができることは、子どもと向き合いながら、その子の1番の理解者になることではないでしょうか?


子どもを知ることで、愛着に問題があるのか、発達障害なのかに気づくことができるはずです。






愛着障害と発達障害は併発することがある


愛着障害と発達障害は、似た特徴がある一方で違いがあることを紹介してきましたが、中には愛着障害と発達障害が併発している子もいます。


もともと発達障害を抱えている子は、

・親が発達障害に気づかない

・親が発達障害の知識がない



上記のような状況になりやすく、適切な愛着を築くことができなかったり、育てにくさから虐待をしてしまったりすることによって、愛着障害になってしまう子もいます。


特に自閉症スペクトラム障害の子に多いと言われています。


今回は、愛着障害と発達障害を併発した子の特徴の中から、下記について紹介していきます。

・籠もる

・攻撃行動

・固まる



特に「攻撃行動」の対応は、かなり難しいと個人的に考えています。


籠もる


自閉症スペクトラム障害と愛着障害を併せ持つ子は、

・居場所を守る(ASDの特徴)

・安全、安心を守る(愛着障害の特徴)



上記の理由で、「籠もる」という行動をすることがあります。

・室内で帽子やフードを被る

・風邪をひいてないのにマスクをする

・カーテンに隠れる

・ロッカーに隠れる



上記のような行為をして、自分の居場所と心の安全を守ろうとします。


攻撃行動


攻撃行動は、愛着障害だけの子にも見られますが、自閉症スペクトラム障害があると、さらに激しくなります。

りさ
りさ

私が保育士時代に出会った愛着形成が気になる子も攻撃行動がすごかったです。



よく見られる攻撃行動を下記にまとめます。

・衝動的に他者へ攻撃しようとする

・目つきや表情が変わる
(過去の嫌な感情をフラッシュバックすることによって)

・攻撃を執拗に続ける

・モノを投げる、蹴る

・地団駄を踏む

・嘆く、大暴れをして止まらない



上記のような攻撃行動が見られますが、どれも感情が未発達なことが原因になっています。


30分から1時間程度すると、落ち着きますが、中学生くらいになると、大人数人で押さえないと止まらないくらい、激しい攻撃行動を見せることもあります。

りさ
りさ

私が出会った子は、一度スイッチが入ると、モノを投げ、私を叩き続け、ひたすら感情を「攻撃」することで表現していました。



保育園の子どもでさえ、この攻撃行動が始まってしまうと、対応がかなり大変です。


気になる子がいたら、園全体で協力体制を作っておくことをおすすめします。


固まる


攻撃行動とは真逆の「固まる」という様子を見せる子もいます。


自分の安全や安心を守るために、周りからの情報を一切シャットダウンするんです。

・何も取り入れない

・何も言わない

・何も聞かない



上記のような状態になってしまいます。


女児に多いとされており、これも30分から1時間程度すると、落ち着くと言われています。


愛着障害と発達障害は似ているけど違う


ここまで、愛着障害と発達障害の関係性について紹介してきました。


愛着障害の子どもは、発達障害の子どもと似た特徴を示すことがありますが、行動の意味は全く違います。


どちらも、生活の中で困り感を感じながら過ごしていることには変わりませんが、行動の背景を知っておかなければ、適切な関わりをすることができません。


保育士は子どもを見ることと知識を学ぶことが必須


保育士は、子ども一人ひとりを見ることが大切であることは、みなさんの共通認識だと思います。


それに加えて、正しい知識を学ぶことも必要です。


多種多様な子ども、多種多様な家庭が増えている中で、一人ひとりに合う保育をしていくためには、幅広い知識が求められます。


今回、「愛着障害」や「発達障害」について気になる!と思った方は、さらに勉強してみてください。

▼私がおすすめする本はこれ



それでは、今回は終わりにします。

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