発達障害の子どもは謝れない?理由・関わり方を保育士が解説

保育学生
 

うちの子発達障害だけど、
イヤなことをした時に
謝れない…。

ともだち
 

発達障害の子どもって全体的に
謝れない気がするけど、
どうしてかな?



という方いませんか?


フリーランス保育士のりさです。


大学は、「特別支援教育」を学び、学生のころから発達障害の子どもと多く関わってきました。


今回は、「発達障害の子どもは謝れない?」というテーマでお話していきます。


◇記事の内容◇

・発達障害の子の特徴

・謝るために必要なこと

・謝れない理由

・謝れない時の関わり方



発達障害の子どもは謝れない?


これを読んでいるあなたは、「発達障害の子どもは謝れない」と思っているのではないでしょうか?


確かに、発達障害の特性が影響して、いけないことをした時に謝れない子どもはいます。

でも、発達障害に関係なくいますよね?



謝れない子どもに関わる大人は、「なぜ謝れないのか」を考えたり、発達障害の子どもの特性を知ることが大切です。


ADHDの子どもの特徴


ADHDの子どもは、「多動・衝動性・不注意」という大きく分けて3つの特徴があります。


そのうち、「衝動性」が強い子は、なかなか謝れないことがあるかもしれません。

・いけないことをする
  ↓
・大人に「謝りなさい」と言われる
  ↓
・衝動的に反発心が出てくる
  ↓
・興奮して謝れない



ADHDの子どもは、「いけないことをした」という意識があっても、衝動的に気持ちが抑えきれず、謝る気持ちになれないことがあります。


自閉症スペクトラムの子どもの特徴


自閉症スペクトラムの子どもは、コミュニケーションが苦手・強いこだわりなどの特徴があります。


コミュニケーションが苦手なので、「人の気持ちを考える」「相手を思いやる」といったことが、苦手です。


コミュニケーションに苦手な部分があるので、いけないことや人が嫌がることをしても、「謝る理由」を理解できないことがあります。


謝るために必要なこと


「子どもに謝れるようになってほしい」と思うなら、「謝るまでのプロセス」を知る必要があります。

謝るには、どんなことが必要だと思いますか?



「ごめんね」と言うことは、結構難しいんです。

・いけないことをしてしまう
   ↓
・自分のしたことが悪いことだと理解
   ↓
・相手はどう感じたのか理解
   ↓
・相手を思いやる
   ↓
・ごめんね



謝るためには、「自分のやってしまったこと」を自覚することが必要です。


そのうえで、相手を思いやる気持ちが出てきて、初めて「ごめんね」と伝えられます。


謝るまでの流れを理解していないと、頭ごなしに「謝りなさい」と言ってしまいがちになるので、注意していきましょう。


発達障害の子どもはすぐに謝る?


謝れない子どもがいる一方で、すぐに謝る子どももいます。


一見、謝れるので、問題なしのように思えますが、注意が必要な場合があります。


子どもの頭の中で、以下のように考えているかもしれません。

・いけないことをする
  ↓
・お友だちが泣く
・大人から「謝りなさい」と言われる
  ↓
・よくわからないけど謝る
  ↓
・解決してラッキー



「なぜ謝るのか」は理解していませんが、謝れば解決するということはわかっているので、すぐに謝れます。


しかし、自分の行為がいけないことなのか、相手がどう感じているのかに関しては、理解していないので、いけないことを繰り返してしまう可能性があります。

りさ
りさ

なんのため謝るのかを
理解することって
とっても需要!!



発達障害の子どもが謝れない理由


ADHDと自閉症スペクトラムの子ども特徴でも少しお伝えしましたが、「発達障害の子どもが謝れない理由」をさらに詳しく紹介していきます。

発達障害の子どもだけでなく、全ての子どもに共通していることなので、子どもに関わるあなたに役に立つはずです。


お友だちの気持ちがわからない


1つ目の理由は、「お友だちの気持ちがわからないこと」です。


特に自閉症スペクトラムの子どもは、コミュニケーションが苦手で、相手の気持ちを想像することが苦手です。


人にいじわるをしてしまった時、お友だちの気持ちを想像できず、イヤなことをしている自覚がなく、謝れないことがあります。

・なんで泣いてるんだろう?

・どうして大人は怒ってるんだろう?

・自分の何がいけなかったんだろう



こんな気持ちになってしまい、謝れないという状況になってしまいます。


「ごめんね」の意味がわからない


2つ目の理由は、「ごめんの意味がわからないこと」です。


謝るためには、「ごめん」の意味を知ることが必要です。


しかし、発達障害の子どもの中には、「ごめんなさい」の意味を理解できず、コミュニケーションの中で使えない子がいます。


「ごめん」という謝罪の気持ちは、目に見えません。


発達障害の子どもは、見えないもの(人の感情を含む)の理解が苦手です。

謝るってどういうこと?
なんで謝るんだろう?



「ごめん」がわからない子に、「謝りなさい」と言っても、子どもの頭の中は、ハテナでいっぱいになってしまいます。


自己肯定感が低い


3つ目の理由は、「自己肯定感が低いこと」です。


発達障害の子どもは、少し苦手なことが多く、トラブルになることも多くなってしまい、叱られることが増え、褒められることが減ってしまいます。


褒められる経験が少ないまま育つと、どんどん自己肯定感が下がってしまい、自分に自信が持てなくなります。


自己肯定感が下がると、以下の状態になってしまいます。

・自己肯定感が低い
  ↓
・いけないことをする
  ↓
・自分の行為を受け止めきれない
(現実逃避)
  ↓
・謝れない



謝るためには、「自分の行為を振りかえることが必要だ」とお伝えしましたが、自己肯定感が低いと、自分自身を見つめられなくなってしまいます。

りさ
りさ

自己肯定感が低い子が謝るには
まず「自己肯定感」を高めることが
大事!



発達障害の子どもが謝れない時は?


では、発達障害の子どもが謝れなかった時は、大人はどのように子どもに関わればいいのでしょうか?


実際に保育の場でやっていることも含めて、ポイントを紹介していきます。


無理やり謝らせるのは絶対ダメ


まず、絶対やってはいけないことは、「謝りなさい!!」「ごめんねって言いなさい!」と言って、無理やり謝らせることです。

無理やり謝らせても意味が全くありません。



ADHDの衝動性が強い子は、大人から謝罪を強制されることで、反発心が生まれ、せっかく自分の行為に目を向けていたのに、意識が大人にいってしまいます。


たとえ、反発しなかったとしても、強制することは意味がありません。

大切なのは、「なぜ謝ることが必要なのか」を理解してもらうことですよ!



つい、大人は「謝る行為」に目がいってしまいますが、本当に重要なことは何かを考えることが大切です。

りさ
りさ

すぐに謝れなかったら
相手の子に状況を説明しましょう。
きっとわかってくれるはずです。



本人の話を聞く


いけないことをしてしまった時は、子どもの話を聞きましょう。

・何があったのか

・自分はどう考えているのか

・どうしてやってしまったのか



話の中には、理不尽なことがあるかもしれませんが、話を聞いて子どもが感じたことを受け止めることが大切です。


ここで、しっかり気持ちを受け止めることが、「謝る」に繋がっていきます。


もし、自分の言葉で説明が難しい時は、大人が質問しながら、子どもの思いを引き出していきましょう。

話を聞くことで、コミュニケーションのどこに「つまづき」があるのか理解できます。



状況を説明する


子どもが話し終わったら、状況を説明していきます。

○○くんはこう思ったけど、
△△くん(相手)は、
こうだったんだよ。



子どもの思っていたことを否定しないように配慮しながら、実際の状況を伝えていきます。


自閉症スペクトラムの子どもは、抽象的な表現を理解するのが苦手なので、できるだけ具体的に伝えるようにすることが、ポイントです。


ADHDの子どもには、長々と話をしても集中力が切れてしまうので、簡潔に伝えるようにするといいですよ。

状況を説明する時は、子どもが納得することが大切!



謝り方を教える


子どもが状況に納得できたら、相手の子に謝ることを伝えます。


ただ、「謝りなさい」と言っても、「どうやって謝ればいいかわからない」子もいるので、どうやって謝ればいいか、教えることも必要です。

大人が一緒に謝ってもいいかもしれません。



「ごめんね」と伝えてもいいですが、「さっきはごめんね」「さっきは叩いてごめんね」と伝えたほうが、相手の子どもも「なんでお友だちが謝ってきたのか」を理解しやすいです。


また、相手に伝えたいことがあるのであれば、謝る時に伝えましょう。

さっきは叩いてごめんね。
でも、これが嫌だったんだ…



子どもだけで、伝えきれない時は、大人が間に入って、気持ちを伝えらるように関わればOKです。


この時、「ごめんね」と言葉がなかなか出てこないこともあります。


そんな時は、温かく見守りながら子どもの言葉を待ったり、子どもが辛そうだったら、大人が「ごめんね」という言葉を伝えてもいいかもしれません。

ここまで丁寧に関わっていれば、「自分の行為」に向き合えているはずです。



パニックの時は落ち着くのを待つ


時には、子どもがパニックになってしまったり、興奮したりすることがあります。


気持ちが不安定な時に、大人が何を話しても、子どもの耳には届きません。


まずは、子どもの気持ちが落ち着くまで待ちましょう。

子どもによっては数十分かかることもあるかもしれません。



気持ちが落ち着いた時点で、「さっきのこと、少しお話してもいい?」と聞いて、子どもの気持ちの準備ができたら、話をしましょう。


子どもがパニックになって泣いていると、つい「泣くのやめなさい!」なんて言ってしまいますが、大人が大きな声を出せば、さらにパニックになってしまいます。


焦らず、時を待ちましょう。


発達障害の子どもは謝れないのではない


ここまで、「発達障害の子どもは謝れないのか」というテーマで話をしてきました。


ポイントをおさらいします。

・発達障害の特性で「謝る」ことを理解しにくい

・わかってないだけで謝れないわけではない

・本人の話を聞いて状況を伝える

・無理やり謝らせても意味がない



発達障害の子どもは、「謝れない」のではなく、「謝る」ことを理解することが苦手んです。


相手の気持ちを理解したり、状況を把握したり、感情をコントロールすることが苦手なので、謝れないと思われてしまいます。


しかし、丁寧に関われば、今まで謝れなかった子も、謝れるようになります。


普段の関わりも大事


謝るためには、子どもの自己肯定感も大きく影響しています。


普段から、「褒める」ことを意識して、子どもの得意なこと、好きなことをどんどん伸ばしていきましょう。


どんな子にも、うらやましいくらいの長所があります!

▼さらに発達障害の子どもとの関わり方を学びたい方



まずは、この1冊から読むことをおすすめします!!

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ということで、今回は終わりにします。

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