愛着に困難を抱えている子どもに保育士の私はどう関わったか

愛着に困難を抱えている子の
保育って難しい…



なんて考えたことある方いませんか?


フリーランス保育士のりさです。


私が担任したクラスに「愛着に困難を抱える子」がいました。


以下の記事でも紹介しているように、愛着に困難を抱えている子がいます。

りさ
りさ

この記事では「愛着障害」という
言葉を使わずに話していこうと
思います。



保育士の中でも、そういう子に出会ったことがある人もいれば、出会ったことがない人もいるかもしれません。


今回は、「愛着に困難を抱えている子の保育」について、私の経験談を紹介していこうと思います。

◇記事の内容◇

・子どもの様子

・保育士としての関わり

・関わった結果



愛着に困難を抱えている子ども


保育士の方なら、愛着に困難を抱えているまでいかなくても、「もう少しママやパパが関わってほしいな」と思うお子さんに出会ったことがあるのではないでしょうか?


私も何人も出会ってきましたが、その中でも特に、保護者との関係がうまく築けていなかったのが、今回紹介するAちゃん(幼児組)のエピソードです。


普段の様子


Aちゃんは、笑顔がとっても素敵な子でした。


お友だちからも人気で、「Aちゃん!」とみんなに呼ばれるような子です。


ただ、幼児クラスに進級してから、気持ちが落ち着かない日々が続いていました。

・早番の部屋から自分のクラスに入るだけで大騒ぎ

・お友だちとぶつかっただけでパニック

・「いれて」を断られるとパニック

・保育士が他の子と関わっていると「見て見てアピール」

・ママがお迎えに来ると「帰らない!」と大騒ぎ



こんな感じです。


パニックが起こると、どうなるかというと、「ギャー」と叫んでお部屋から出ていき、私が近づくと、「先生なんて嫌いだ!!」と言いながら私のことを叩き続けます。


上記の姿が、1日の中で何度も起こり、毎日続きました。


1番荒れていた時は、数分ごとにパニックになるので、保育室に入ることさえも難しい状況でした。


私も心が痛む


Aちゃんが荒れると、必ず私のことを叩き、「嫌いだー」と私に向かって言うのですが、この姿を毎日見ていると、本当に悲しくなってきます。


Aちゃんの中にある「どうしたらいいかわかならい気持ち」が見えてくるようで、叩かれながら泣きそうになったこともあります。

りさ
りさ

私も辛かったですが、
きっとAちゃんのほうが
もっともっと辛かったと
思うんです。



抱きしめても身体が強張ったままで、なかなか緊張が取れません。


身体の力が抜けるまで、「私はAちゃんのことが好き、嫌いになったりしない」と何度も伝えていたことを覚えています。


子どもに対する私の見解


Aちゃんがこれだけパニックになる理由を、私は以下のように考えていました。

・1歳児クラスの時12時間保育だった

・愛情のベクトルにズレがある

・休みの日は1人で遊んでいることが多い

・幼児クラスになって保育士が関わる時間が減った



Aちゃんの保護者は、育児放棄していたわけではありません。


1年に1回は旅行に行くような、どこにでもいるような家庭でした。


しかし、私が見る限り、Aちゃんが求めていることと、保護者の愛情のベクトル(方向性)にズレがあると感じていました。


保護者は、Aちゃんが家で1人で遊んでいることを「いいこと」として捉えていましたが、Aちゃんに話を聞くと、「一緒に遊びたい」と言えなかったようです。

りさ
りさ

愛情のベクトルのズレって
どんな家庭でも起こること
だと思うんです。



小さいころからのズレがどんどん大きくなり、幼児クラスになって気持ちが爆発してしまったのかもしれません。


2歳児クラスまでは、Aちゃんはパート保育士さんにべったりだったので、そこでバランスを取っていたのかもしれません。(完全に依存関係でした…)

愛着に困難を抱えている子どもにどう関わったか「前編」


保育室にいられないくらい、パニックになる回数も多くなってきてしまったAちゃん。


このままではいけないと思い、パニックになったら保育室から出て、保育士と1対1になれるようにする、と担任間で決めました。



上記の本は、愛着障害の子への支援方法が書かれている本です。


本の中では、「特定の大人との関係が大切」と書いてあるのですが、クラスの状況的に常に特定の大人が関わることは難しかったので、パニックになった時に関わった保育士が関わることにしました。

りさ
りさ

本はめちゃくちゃ参考になるので
おすすめです!!



行き場のない気持ち


Aちゃんがパニックなって、保育室を出ると、Aちゃんの行き場のない気持ち、表現しきれない気持ちを感じました。


保育室を出ると階段にいることが多かったのですが、Aちゃんは階段を行ったり来たり、チラッと私の方を見て、また行ったり来たり。


本当は私に構ってほしいのに、素直に気持ちを表現できず、「こっちおいで」と私が言うと、「イヤー」と言って階段を走っていました。

りさ
りさ

私は、声をかけすぎても
パニックを助長させると思い、
しばらくその様子を見ていました。



10分くらいすると、気持ちも落ち着き、自分から私のところに来てくれました。


ギュッと抱きしめるAちゃん


Aちゃんが私のところに来てくれたら、「私はAちゃんのことが好きだよ」と伝えながら、Aちゃんを抱きしめました。


すると、Aちゃんが抱きしめ返してくれるのですが、赤ちゃんのようにギュッと抱きしめるんです。


顔を私にうずくめ、絶対に離さない、離さないでという気持ちがAちゃんから伝わってきます。

りさ
りさ

この瞬間からも
Aちゃんの抱えている苦しさを
感じることができました。



満足するまで抱きしめたあとは、パニックになった時の状況をAちゃんに聞きながら、振り返りました。


落ち着いたら、Aちゃんは自分の言葉で過去の状況をお話できるくらい、しっかりしているんです。


状況はあまり改善しなかった


こんな風な関わりを繰り返していましたが、Aちゃんの気持ちの状況はあまり変わりませんでした。


嫌なことがあればすぐにパニックになり、大きな声で泣きながら私のことを叩きます。


愛着に困難を抱えている子どもにどう関わったか「後編」


状況がなかなか変わらなかったので、関わり方を変えました。


パニックになってから1対1になるのではなく、パニックになる前にAちゃんと1対1の時間を作ることにしました。


少しでも、私を含めた担任との安心した時間を過ごせるようにすることが、必要だと考えました。


できるだけ1対1の時間を作った


担任が全員出勤してきたら、担任の1人がAちゃんと保育室を抜けて1対1で遊ぶことにしました。


保育の状況は、日によって違いましたが、30分~1時間半Aちゃんと1対1で過ごしてましたね。

りさ
りさ

これ、担任間の協力がなければ
絶対にできなかったので
一緒に組んでいた保育士さんには
本当に感謝です。



1対1になると、Aちゃんはパニックになることもなく、嬉しそうに遊んだりお話をしてくれたりしました。


1対1の時は、安心した表情を見せてくれて嬉しかったです。


遊びからわかる子どもの満たされていない欲求


一緒に遊んでいると、Aちゃんの満たされていな欲求が伝わってきます。


遊び方が、2歳児前半くらいの子どもと同じでした。


何度も何度も同じ遊びを繰り返し、そこから遊びの発展はあまり見られなった気がします。

りさ
りさ

落ち着いて保育室で遊べないから、
遊びの経験も少なくなっていったのかな
と考えたりしました。



少しずつ落ち着いていった


Aちゃんと1対1の時間は、毎日はできませんでしたが、2~3ヶ月続けました。


すると、次第に落ち着いてきて、パニックになることなく保育室で過ごせる時間も増えてきました。

りさ
りさ

もちろん、パニックが0になった
わけではないんですけどね。



数分ごとにパニックになって保育室にいられなかった状況から考えると、保育室で過ごせるようになったことは、Aちゃんにとって少しは落ち着けるようになったのかなと思ってました。


その後の様子


その後のAちゃんは、「少しぶつかったからパニック」のような、ちょっとしたことでパニックになることは少なくなりました。


ただ、気持ちが完全に落ち着いたわけではなく、遊びに集中できなかったり、お友だちとの遊びについていけなかったりする状況は続きます。


Aちゃんの様子を見ていると、自分から「こうやって遊びたい!」とお友だちに伝える自信がなさそうでした。


もちろん、週に何度かパニックになることは続き、その時は1対1になって関わってました。


もっとこうすれば・・・


その年度が終わってから振り返って考えたことですが、

落ち着いたからといって、1対1の時間を減らさなければよかった



パニックが減ってきた時、「保育士よりお友だちとの時間を長くしたほうがいい」と考えて、パニックならなければ、保育室で過ごしていました。


でも、今思えば、もっと保育士との時間があってもよかったのかなと反省しています。


週に1回でもいいから、1対1になってAちゃんの話を聞いたり、一緒に遊んだりすれば、もっと安定して保育園で過ごせたのかなと思います。

りさ
りさ

どれが正解かわかりませんが
1対1の時間を減らしたタイミングは
もう少し慎重になるべきでした。。。



保育園で支えることの難しさ


ここまで、Aちゃんとのエピソードを通して、「愛着に困難を抱える子」への保育について書いてきました。


保育園で、愛着に困難を抱える子を支えることは、決して楽な道のりではないなと、実際に関わって感じました。


想像してみてください。毎日子どもから「嫌い」と言われながら、叩かれるんです。

りさ
りさ

叩いているAちゃんも苦しそうだから
余計に苦しかったです。



また、どんなに保育士がAちゃんとの関係を築こうとしても、Aちゃんが本当に求めているのは、保護者からの愛情です。


保育士ができることって、本当に微力だなと思います。


みんなの協力が必要


愛着に困難を抱える子を保育園で支えるには、園全体の協力が必要です。

・担任間の協力

・役職者の協力



Aちゃんに1対1で関わるということは、常に担任が1人少ない状況で保育しなければいけません(保育士の設置基準は満たしているので心配なく)。


また、Aちゃんと1対1で遊ぶためには、普段保育では使っていない場所を使わせてもらうことが必要なので、役職者の理解が必要です。


担任はもちろん、役職者の方の協力もあって、はじめて今回紹介してきた関わりができました。


愛着に困難を抱えている子の保育を学びたい人


愛着に困難を抱えている子への保育は、私自信も勉強途中です。


勉強している中で、読んだこの本は、とても参考になりました。



もし、園に、クラスに気になるお子さんがいるあなたは、1度読んでみると保育のヒントが見つかるかもしれません。


今回紹介したエピソードが、少しでも参考になったら嬉しいです。


ということで、今回は終わりにします。

▼以下の記事では愛着障害への関わり方についてまとめています。

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