発達障害とは結局なんなの?保育士にも知っててほしいこと

保育学生
 

発達障害って何?保育士になるまでにあんまり勉強してこなかったんだけど…

ともだち
 

保育園に気になる子っているけど、あの子は発達障害なのかな?



という方いませんか?


元保育士のRisaです。


大学では、「特別支援教育」を学んできて、発達障害のことも学んできました。


実際に発達障害の子どもたちと、関わることも多かったです。


今回は、保育士の立場から考える「発達障害」について紹介していきます。


私自身ももう一度、発達障害について学びなおしたので、ぜひ一緒に勉強できたら嬉しいです。


発達障害とは結局なんなの?


発達障害という言葉は聞いたことがあるけど、実際「発達障害って何?」という方もいると思います。


厚生労働省のHPには、発達障害を

発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html



と記載してありました。


発達障害には、大きくわけて下記のような障害が含まれます。

・注意欠如・多動性障害(ADHD)

・自閉症スペクトラム障害

・学習障害(LD)



また、チックや吃音症も発達障害に入ります。


発達障害の子たちについて、一言で説明することは難しく、

発達障害,子供,大人,保育士,自閉症,ADHD,学習障害



上記の画像で重なっている部分があるように、いくつかのタイプを一緒に持っている場合もあります。

そのため、同じ障害でも似ていないことも多いです。



また、発達に凹凸があることも特徴であり、運動発達は他のお友だちと変わらないのに、言葉の発達は遅れているなど、発達に差があることがあります。


次は、それぞれの障害にどんな特性があるかを紹介していきます。


注意欠如・多動性障害(ADHD)


注意欠如・多動性障害は、ADHDと表記されることもあります。


厚生労働省のHPには、

発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html



上記のように記載されていました。

・学童期の3~7%に存在している

・男子のほうが女子より多い

・男子は年齢が上がると割合が低くなる

・女子は年齢が上がっても割合が変わらない



上記のような特徴があります。


ADHDは、

・不注意型(女子に多い)

・多動型(男子に多い)

・衝動型



3つの特性があります。


男子に多い、多動型は一般的に青年期、さらに成人期になると減少していくと言われており、そのため、男子は年齢が上がると、割合が減っていきます。

もちろん、女子の中にも多動型はいますし、男子の中にも不注意型の子もいます。また、どの特性を持っている子もいます。



ADHDの有名人も実は多く、水泳の競泳選手でオリンピックで数々の金メダルを手にした「マイケル・フェルプス」もADHDだと公表しています。


自閉症スペクトラム障害


自閉症スペクトラム障害とは、

相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html



自閉症スペクトラム障害には、上記のような3つの特徴が表れ、この特徴を持っている人を広い意味で、「自閉症スペクトラム障害」と言います。


自閉症スペクトラム障害を大きく分けると、

・自閉症:知的遅れを伴う

・高機能自閉症:知的遅れがない(IQ71以上)、言葉の遅れがある

・アスペルガー症候群:知的遅れがない(IQ71以上)、言葉の遅れがない



上記3つに分けられることが多いです。


わかりやすく図にまとめると下記のようになります。

発達障害,子供,大人,保育士,自閉症



高機能自閉症とアスペルガー症候群は、知的遅れがないとは言え、平均IQは「100」なので、「IQ71」付近の子どもは、多少学習に困難が出てきてしまう可能性があります。


自閉症スペクトラム障害の有名人もいます。

・ビル・ゲイツ

・スティーブン・ジョブス



この2人は、自閉症スペクトラム障害だったと言われています。


学習障害(LD)


学習障害(LD)は、保育士にとっては、あまり馴染みがない障害かもしれません。

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいいます。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html



「読み」「書き」など特定の事に関してのみ、困難を抱える状態を学習障害と言います。


・2~10%の人間にあらわれる

・男子に多い

・ADHDの10~25%がLDと言われている



上記のような特徴があります。


知的遅れはないものの、現状の学校の授業システムでは、困難を抱えることも多く、学童期に学習面で悩むことがあります。


ハリウッドスターのトム・クルーズは、学習障害の1つである「ディスレクシア(識字障害)」であり、文字を読むことが苦手なので、台本は録音をした音声で覚えているという話は、有名です。



発達障害をざっくり紹介すると、このような特徴があります。


▼発達障害をさらに学びたい方は必読。



発達障害とはどんな症状があるのか?


では、実際に「発達障害」の人には、どのような症状(特性)があるのか、紹介していきます。


保育士にとって知っておくといい

・子どもの特性

・大人の特性



それぞれについて紹介していきます。


発達障害とは?子供の特性


発達障害は、生まれつきの脳の機能の障害なので、大人になってから特性が見られるわけではなく、子どもの時にすでに特性が見られます。


保育士のあなたも、きっと子どもの発達障害に気がつくことがあるはずです。


ADHDの子供


ADHDの子どもは、保育園でもクラスに1人、もしくは数人いる可能性があります。


「多動・衝動性」の子と「不注意」の子の特性をそれぞれ下記にまとめます。

〇多動・衝動性

・じっと座っていることが苦手

・しゃべりすぎる

・順番を待つことが苦手

・会話に割り込む

・お友だちに乱暴にしてしまう



〇不注意

・話を聞いていないように見える

・整理整頓が苦手

・忘れ物が多い

・気が散りやすい
(一つの遊びに集中できない)



上記が保育園でも見られるような、ADHDの子どもの特徴です。


▼ADHDの子どもをさらに知りたい方



自閉症スペクトラム障害の子供


自閉症スペクトラム障害には、知的遅れがある子やない子、言葉の遅れがある子とない子など、様々な子がいますが、保育園では下記のような特性が見られるかもしれません。

・人の目を見ない

・指差しをしない

・他の子に関心がない

・オウム返しをする

・身体を動かしながら大きな声を出す

・耳をふさぐ(大きな音に敏感)

・理由がわからないかんしゃくを起こす



上記のような特性が保育園で見られる子がいるかもしれません。


身体を動かしながら、大きな声を出している子は、それをすることによって、自分を刺激して安心させようとしていることがあります。

自閉症スペクトラム障害の特性を持った子は、1歳くらいから上記のような姿が見られます。



中には、「自閉症の子は人と関わらない」と思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。


人と関わることが好きな子もたくさんいます。

どの障害にも言えることですが、一概に「この障害はこういう特性があります」と言い切ることはできません。




▼自閉症スペクトラム障害の子どもについてさらに学びたい方



学習障害の子供


学習障害の子は、保育園ではわかりにくいかもしれませんが、小学校に行って「小学2~4年生くらい」になると、徐々に勉強についていけなくなることが多いです。


保育園で全く特性が見られないというわけではなく、下記のような姿を見せることもあります。

・話を聞き返すことが多い

・言葉がスムーズに出てこない

・数や文字に興味を持たない



上記のような特性を見せる子は、もしかしたら学習障害の子かもしれません。


▼学習障害についてさらに学びたい方



発達障害とは?大人の特徴


発達障害の特性を持っている子は、子どもだけではありません。


保育園で関わる大人の中にも、発達障害の方がいる可能性があります。


あなたが関わっている保護者や同僚の方に、こんな方はいませんか?

発達障害の方には、個々に合う対応が必要になってきます。



ADHDの大人


ADHDの大人は、多動性は軽くなっていき、衝動性や不注意は成人期まで続くことが多いと言われています。

・忘れ物が多い

・チェックする作業が苦手

・提出物を期限まで出せない

・洗濯物がしわくちゃ



上記のような保護者や保育士はADHDの可能性があります。


ADHDの保護者は、提出物を期限まで出すということが苦手なので、お迎え時に直接記入してもらうなど工夫するといいかもしれません。


また、整理整頓が苦手なことで、子どもの着替えをぐしゃぐしゃの状態で持ってくる場合もあるので、見かけたときは、保育士が畳んだり、子どもと一緒に畳んだりしたりしましょう。

保護者も困っている場合が多いです。



自閉症スペクトラム障害の大人


自閉症スペクトラム障害の大人は、

・コミュニケーションがうまく噛み合わない

・人の話に関心を持っていない

・たとえ話やユーモアがわからず言葉のままとらえてしまう



上記のような特徴が見れれます。


自閉症スペクトラム障害かもしれないという方に対しては、わかりやすい言葉で話すようにして、たとえ話を入れずに、簡潔に話をするといいかもしれません。


学習障害の大人


学習障害の大人は、

・発音が正確でない

・文字や文章を書くことが苦手

・文章を読んで理解することが苦手



上記のような特性があります。


保護者会などでは、文字や言葉だけでは、理解しにくい場合もあるので、写真や図を使ってわかりやすくする工夫をしてもいいかもしれません。


子ども一人ひとりに合わせた関わり方することは、保育士として当たり前ですが、保護者対応や同僚との関わりでも、それぞれに合わせることが大切です。


発達障害について知っててほしいこと


ここまで、発達障害のことをざっくりと紹介してきましたが、保育士として発達障害について、もう少し知っておくと役に立つことがあるので、紹介していきます。


きっと、普段の保育や保護者対応に生かせるはずです。


子育ての問題ではない


発達障害は、繰り返しになりますが、生まれつきの脳の機能障害です。


そのため、子育ての問題でもないですし、親が悪いわけでもありません。


また、病気でもないので、うつりません。そこを勘違いしないようにしておくことが大切です。


一人一人を見ることが大切


発達障害のことを知っておくことは大切ですが、障害名でその子を理解した気にならないことが、さらに重要です。


同じ障害でも、結局は一人ひとり異なります。

最も大事なことは、「一人ひとりを見る」という保育士として基本のことです。



発達障害を知ることは、その子を理解するヒントになるという認識でいたほうがいいかもしれません。


成長しないわけではない


発達障害の子は、もちろん困難を抱えてはいますが、その困難はいつまでも成長しないのかと言えば、それは違います。


その子に合ったペースで、成長していきます。

自閉症スペクトラム障害の子のコミュニケーションの力がずっと成長しないというわけではありません。少しずつ、経験することによって、コミュニケーションの幅が広がっていきます。



そのためには、「適切な環境」や「適切な関わり」が大切です。


逆に、その子にとって無理のある環境や、不適切な関わりをしていては、せっかく成長できることも出来ず、しんどくなってしまうこともあります。


二次障害のリスクが大きい


発達障害は二次障害のリスクが大きいことを知っておくことは、保育士とってとっても重要です。


二次障害とは、もともとなかったのに、発達障害が原因となってしまう障害のことです。

・うつ病

・非行

・不登校

・ひきこもり

・暴言



などが二次障害の例です。

・一緒に遊びたいのに遊べない

・お友だちから暴言を吐かれる

・信頼している大人から理解してもらえない

・大人から怒られてばかり



上記のような毎日が続き、ストレスをたくさん抱えた結果、

・自信の喪失

・失敗

・挫折



のような経験をたくさんしてしまい、二次障害に繋がってしまうことがあります。


発達障害は二次障害を起こしやすいので、発達障害であることに大人が早く気づいて、適切な関わりや環境を整えてあげることが大切です。


その子に合わせた環境が必要


先ほどの話を被る話ですが、発達障害の子には、それぞれに合う環境が必要です。


その子にぴったりの環境(道具なども含めて)があることで、子どもはもともと持っている力を十分に発揮することができます。


一見、難しいと思っていたことも、環境が整うことで、できるようになることもあります。

・大きな音が苦手な子には、静かな場所を用意してあげる

・気が散りやすい子には、集中しやすい環境を提供する



上記のように、個々に合う環境を保育園の中でできる限り準備してあげることで、どの子も安心して保育園で生活することができます。


家族にも支援が必要な場合がある


先ほども紹介しましたが、中には保護者の方にも発達障害を持った方がいるかもしれません。


自閉症スペクトラム障害の場合、一家族に数人自閉症スペクトラム障害の子が存在すると言われています。


また、親がADHDの場合、高い確率で子どもにも遺伝するという研究もあります。

この子は気になるな?



という子に関しては、保護者にも個別の対応が必要な場合があるので、親子ともに様子を見ながら関わることが大切です。


早期対応が大切


発達障害は、早期対応が大切だと言われています。

特別支援教育を大学の時に学んでいた時は、このことを何度も聞いていましたが、保育士を始めてから、早期対応が大切だということを知らない保育士が多いことに気づき、びっくりしました。



ぜひ、このことは、保育士の方々にも知っててほしいです。


早く対応することは、

・その子の適切な理解

・適切なサポートを受ける

・保護者が自分の子を理解する



上記のようなことに繋がります。


保護者の中には、発達障害の疑いを持った時に、

自分の育て方が悪かったのかな…



と不安に思ってなかなか、子どもの発達障害を受け入れることができない保護者がいますが、早期対応することによって、その不安をなくすことができ、目の前にいる子どもを受け入れることができるようになります。


また、子どもによっても早期対応はメリットがあります。

・自尊心を守る

・自信が持てる

・意欲を高める

・二次障害の防止



上記のようにたくさんのメリットがあるので、保護者、子どもともに早期対応はメリットが大きいです。


発達障害とはわかりやすく言うと


ここまで、発達障害とは何のこと?という話をしてきましたが、最後にわかりやすくまとめていきます。


発達障害とは、

発達障害,子供,大人,保育士,自閉症,ADHD,学習障害



上記のような特性があります。また、発達障害には、大きく分けて

発達障害,子供,大人,保育士,自閉症,ADHD,学習障害



注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、学習障害の3つがあり、1つだけの特性を持った子もいれば、複数の特性を持った子もいます。


ここまで、押さえておけば基本はOKです。


保育士も発達障害を知ることで普段の保育に生かせる


保育士が発達障害を知ることは、間違いなく普段の保育に生かせるはずです。

「結局、一人ひとりを見るんだから、発達障害とか関係ないでしょ」



という意見もあるかもしれませんが、発達障害を学ぶことで、その子にどんな関わりが必要なのか、環境が必要なのか、さらに考えるきっかけになります。


もちろん、一人ひとりを見ることは、保育士として大切ですし、子どもを障害として考えるのではなく、「一人の子」として見ていくことは大切です。


しかし、勉強すればより専門的に深く保育を考えることができるのではないでしょうか?


ぜひ、この記事が「発達障害」を知るきっかけになったら嬉しいです。


では終わります。


▼発達障害についてさらに学びたい方は、この本がおすすめです。



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