自閉症の二次障害って何?原因と予防について保育士目線から考える

保育学生
 

自閉症の子の二次障害って何?

ママ
 

二次障害って別に保育士は関係ないよね?



という方いませんか?


元保育士のRisaです。


自閉症のことを調べると出てくる「二次障害」の文字。


下記の記事で発達障害のことを紹介した時も、二次障害について軽く触れてきました。



ほとんどの方が、二次障害と言われてもあまりピンとこないのが本音じゃないですか?


保育士さんにとっては、自閉症の二次障害について学ぶ機会ってないですよね。


ということで、今回は「自閉症の二次障害を保育士の目線から」考えていきます。

・保育士

・幼稚園の先生

・小学校の先生



上記のような子どもと関わる機会の多い人で、自閉症のことをあまり知らない人には役に立つはずです。


今日もさくっと「5分」で保育に役立つ知識を学んでいきましょう。


自閉症の二次障害って何?


自閉症とは、生まれつきの脳の機能障害であり、対人関係やコミュニケーションの困難、こだわりといった特徴があります。


厚生労働省のHPには、

相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html



と記載されています。


最近では、「自閉症スペクトラム」として広い定義で捉えられることが多くなり、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー」などがあります。

▼自閉症スペクトラムについて詳しくはこちらの記事を参考に。



この記事でも「自閉症スペクトラム」として、大きく捉えて考えていきます。


自閉症の二次障害とは?


自閉症の二次障害とは、

本来の自閉症の特徴ではないことが表れること



上記のように、自閉症の特性が原因となって、日常生活などに影響が出てきてしまうことを指します。


しかし、適切な援助や関わり、支援があれば二次障害が出てくることは、ほとんどありません。


二次障害は、自閉症の子自身に原因があるのではなく、周りに大きな影響を受けることで発症してしまいます。


自閉症の二次障害って見られること


自閉症の二次障害で見られることは、たくさんあります。


主に見られる症状などを下記にまとめていきます。

・いじめ

・不登校、登校しぶり

・ひきこもり



上記は、思春期の学校生活に大きな影響を与えます。

・腹痛、吐き気、動悸、円形脱毛症

・チック(音や声を出す、運動の反応が出るなど)

・うつ病

・適応障害



身体の症状として表れたり、うつ病など精神的な病になってしまうこともあります。


うつ病になると、自閉症の特徴である「こだわり行動」も見られなくなることがあります。

・不安(イライラ、恐怖感、発汗など)

・強迫性障害(不安が離れない、不安を取り払うための行為を繰り返す)

・PTSD(心的外傷後ストレス障害)

・被害関係念慮



強迫性障害で見られる行動は、こだわり行動と似ていますが、その子の中でこだわりとは違うことに気づきます。


また、PTSDになると、嫌だったことが急にフラッシュバックしてきて、パニックになってしまうこともあります。


被害関係念慮とは、実際はそんなことがないのに、人からバカにされていると感じてしまうという症状です。

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このように、自閉症の二次障害には、たくさんの症状が見られ、日常生活に大きな影響を与えます。


また、自閉症の二次障害には、「重大犯罪を起こしてしまう」ということがあります。


自閉症の二次障害で見られる重大犯罪について


まず初めに、勘違いしてほしくないことは、自閉症だから犯罪を犯してしまうわけではないことは理解してください。


いじめの経験やPTSDによって、犯罪に繋がってしまうことがあります。

・通り魔

・殺傷事件

・殺人事件

・放火



上記は、過去に青少年が起こした重大犯罪の中で、自閉症の子が起こしてしまった犯罪の一例です。


この多くが、捕まってから「自閉症」と診断されています。


捕まってから診断されるということは、適切な支援を受けてこれなかった可能性が高いということです。


必要な支援や関わりを受けることができなかった自閉症の子が、たくさんいるということを知ってください。


自閉症の二次障害の原因


自閉症の子に二次障害が多いのは、自閉症の特性が関係しています。


自閉症の特性として、生活の様々なストレスに対して「反応を受けやすい」ということがあります。


また、自閉症の特性が原因で、失敗経験やできなかった経験をすることも多いです。

・変化に敏感

・感覚(身体面も精神面も)が敏感

・不必要な情報を除去できない

・心理的距離感を取ることが難しい

・一般化や概念を理解することが難しい



上記のような特徴が原因で、二次障害に繋がってしまうことがあります。


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このようなストレスは、大きくなってからではなく、小さい頃から感じていることを、保育士は知っておくと、保育に生かせるかもしれませんん。


自閉症の人は常に情報過多の中で生活している


自閉症の子は、常に情報量の多い中で生活しているので、ストレスを受けやすいです。


私たちは、誰かと「1対1」で話をしていれば、その人の言葉に集中することができますが、自閉症の子は、周りの刺激全てが気になってしまいます。

・周りのお友だちの声

・他の遊んでいる音

・生活の音

・周りにいるお友だちの姿

・匂い



上記のように、一度に様々な情報が入ってきてしまい、必要な情報を取捨選択することが苦手です。

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また、自閉症の特徴であるコミュニケーションの困難によっても、他者との関係がうまくいかず、ストレスとなることもあります。


私たちに例えると、

・同時に何人もの人に話される

・目の前でライトをカチカチされる

・点滅した光の中に様々な映像が流れる

・会話と同じ音量で生活音が聞こえてくる

・強烈な匂いのするものが鼻の近くにある



こんな感じと同じ状況なのかもしれません。


アスペルガーは知的な遅れがありませんが、高機能自閉症や自閉症になると、知的な遅れがあるので、さらにストレスが多い中で生活していかなければいけない状況が多くなります。


自閉症のいじめの原因


二次障害の一つである「いじめ」は、なぜ起きてしまうのか、原因を下記にまとめます。

・対人関係が苦手

・自己主張が強い

・言葉の意味を理解するのが苦手

・場の空気を読むのが苦手



上記のような自閉症の特徴によって、いじめに発展してしまうことがあります。


特に、コミュニケーションが苦手だと自覚している自閉症の子ほど、頑張って場の空気を読みながら生活しようとしますが、なかなかうまくいかず、周りから責められてしまうことが発生してしまいがちです。

・場の空気を読もうとするができない
  ▼
・周りから責められる
  ▼
・さらに頑張るがうまくいかない
  ▼
・さらに責められ、いじめに…



上記のような状態になったとき、自閉症の子は、いじめられていることにも気づくし、何がいけなかったのかにも気づきます。また、やろうとしてもできない自分にも気づきます。


それが原因で、「うつ病」「PTSD」「身体症状」などに繋がっていってしまいます。


自閉症の不登校の原因


自閉症の子に多い「不登校」は、いじめが原因でも起こりますが、他にも

・ちょっと怒られたことが、めちゃくちゃ怒られたと感じる

・お友だちが怒られたのを見て恐怖を感じる



上記のようなことも原因になります。


自閉症の子の中には、「ダメ」という言葉一つでも、かなり敏感に受け取ってしまう子がいます。

私たちが受け取る何倍も強い言葉に聞こえているのかもしれません。



また、自閉症のことを理解していない先生の強引な指導や関わりによって、恐怖や不安、自信喪失などが出てきてしまい、学校に行けなくなる子もいます。


自閉症の二次障害の原因は周りにある


冒頭でもお伝えしましたが、自閉症の二次障害の原因は、その子自身にあるのではなく、周りが原因になっていることばかりです。


例えば、学校には、いじめや不登校の子どもを救うために「スクールカウンセラー」が各学校に設置されていますが、スクールカウンセラーに発達障害の知識がなく、適切に対応することができないことがあります。


保育園や幼稚園も同様です。


必要な知識がないことによって、適切な援助ができないことが多々あります。

こういったことが、思春期以降の二次障害が現れやすい時期に繋がっているんです。



自閉症と関わる大人の重要性


つまり、子どもと関わる全ての大人が、必要な知識を持っていることが、自閉症の二次障害の防止にには、とても重要です。


しかし、保育士養成課程の学校や教育学部では、発達障害のことは勉強しても、二次障害のことまでは勉強はしないことが多いです。

しかも、発達障害の授業の数は少ないですよね。



自閉症の二次障害を予防する


では、どうやって二次障害を予防していけばいいかというと、

発達障害(自閉症)について、子どもと関わる大人が正しい知識を学ぶ



結局はこれが大事です。


自閉症の二次障害の予防はなぜ必要か


具体的な予防法をお伝えする前に、なぜ二次障害の予防が必要なのかを紹介します。


自閉症の子が二次障害になってしまうと、、目標が持てなくなり、生きる意味もわからなくなってしまうことが多いです。

この状況では、本来やりたい自閉症の子への支援ができなくなってしまいます。



そして、二次障害になってからの対応は、本当に大変です。


例えば、「うつ病」になったとします。


健常者でさえ、うつ病治療には数年かかることが多いのに、自閉症の子のうつ病の治療には、自閉症の特徴も踏まえながらやらなければいけないので、さらに時間がかかります。


だからこそ、予防をしなければいけないんです。


予防は小さいときから


自閉症の子の二次障害が見られるのは、学童期以降もしくは、思春期以降かもしれません。


しかし、予防には小さい時からの関わりが必要です。

保育士の関わり方が将来大きく影響する可能性が高いんです。



小さい頃からの適切な関わりが、自閉症の子の精神面を支え、将来の二次障害の予防になります。

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逆に、小さい頃から生きづらさを感じていた自閉症の子は、将来二次障害になってしまう可能性が高くなります。

保育士の役割の大切さに気付いてきましたか?



自閉症の二次障害の予防の基本


自閉症の二次障害を予防する基本を、下記にまとめます。

・特性を意識した関わり

・見通しを持って生活できるような支援

・その子が生活しやすい環境づくり

・子どもの理解者になる

・いいところをたくさん見つける



上記を意識しながら、関わってみてください。

▼具体的な場面での関わりに関しては下記を参考にしてください。



日本の教育は自閉症の子にはしんどい


日本の教育は、自閉症の子にとってしんどいということを、保育士や小学校の先生は、知っておいたほうがいいです。

・一斉の教育

・行事が多い

・毎年クラス替え、担任が変わる



日本の教育には、これらの特徴がありますが、どれも自閉症の子にとっては、負担になることばかりです。


一斉の教育によって、

・一斉に指示が出る
  ▼
・自閉症の子は理解が難しい
  ▼
・できないことが増える
  ▼
・自己肯定感が下がる



上記ようなことになってしまいます。


行事も自閉症の子にとっては負担です。

・いつもと違う活動にストレス

・練習でみんなと合わせるのが苦手



毎年のクラス替え、担任が替わることもストレスがかかります。

・クラスの場所の変化

・担任が替わってやり方が変わる
(生活の仕方、給食の準備、指示の出し方など)



他の子にとっては、何気ない変化かもしれませんが、自閉症の子にとっては、ストレスになる大きな変化になります。


そういったことも見通して、対応することができるといいですよね。



自閉症の二次障害について少し考えてみて


保育士や幼稚園の先生、学校の先生は、「自閉症の二次障害」について考える機会は少ないのかもしれません。


しかし、この機会にちょっと考えてもらえたら嬉しいです。


自閉症の子が、クラスに1人、2人いる可能性があります。


特に、アスペルガーや高機能自閉症の子は、クラスで困っている可能性が高いです。


知的に遅れのある自閉症の子は、保育園でも見つけやすく加配の保育士がついたり、就学の時も特別支援学校に入学して、必要な支援を受けることができます。


しかし、アスペルガーや高機能自閉症の子は、気づかれないことも多く、困っているのに支援がない、普通学級でお友だちからいじめられてしまう、という状況になってしまう可能性があります。


その子に必要な援助ができるように


ここまで、自閉症の二次障害について紹介してきましたが、自閉症の二次障害について学ぶことで、今まで以上に一人ひとりに必要な援助をする保育ができるようになるはずです。

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ぜひ、上記を意識しながら、保育に生かしてください。


もっと、自閉症のことを学びたい!という方は、この本がおすすめです。




間違いなく参考になる1冊になるはずです。


私も何度も読みました。


ということで、今回は終わりにします。


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